口の中を鏡で見た際に、舌に白い汚れがついているのに気づいたことはありませんか?
その白い物体を指にとって、臭いを嗅いでみてください。非常に臭くて驚くはずです。
この白い汚れの正体は、舌苔であり、口臭の原因にもなるのです。
そこで、今回は、舌の上の白い物体・舌苔の正体と取り方について説明していきます。
目次
舌の上の白い汚れ・舌苔とはどんなものか…
まず、舌の表面には舌乳頭と呼ばれる小さな突起物があり、ここに細菌、剥がれ落ちた粘膜、食べかすなどが溜まることで、白い苔(コケ)が生えたように見えるのです。
もちろん、牛乳やカレーなどの色素の強い食べ物を口にすると、一時的に舌の表面に汚れが付着することはありますが、口腔内が健康に保たれていれば、時間が経つに連れて、唾液により舌の汚れは洗い流されていきます。
また、唾液は口の中を洗浄するだけでなく、殺菌作用もあるので、舌の上に食べ物が堆積したとしても、細菌が白い苔になるほど溜まる前に、除菌されます。
では、なぜ舌の上に白い汚れが形成されるのでしょうか?
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舌苔がつく原因
舌に白い汚れがつく原因としては、主に以下の3つが考えられます。
- 唾液が少ない
- 口呼吸
- 舌位が低い
それでは順番に説明していきます。
唾液が少ない
ストレス、緊張、疲労、睡眠不足などが原因で唾液の量が減少すると、舌の表面に溜まった汚れや細菌を洗浄、殺菌する効果が低下するため、舌の表面にコケがつきやすくなります。
サラリーマンの多くはストレス、緊張、疲労、睡眠不足が慢性化している方が多く、唾液量が少ない方が多いのです。そこで、唾液の量を増やす方法についても解説しておきます。
- 適切な水分補給を行う
- うがいにより唾液腺を刺激する
- お酒の量を減らす※
- 食事の際に噛む回数を増やす
- 口呼吸を止める
- 酸味のある食べ物を摂る、想像する
※お酒には利尿作用があるので、飲み過ぎると脱水症状を起こしやすく、口の中の水分が減少して口が乾きます。
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口呼吸
口呼吸により口内が乾燥すると、舌についた汚れが乾燥してこびりつき、取れにくくなるので舌苔ができやすいのです。特に、朝起きた際に口の中が乾燥してカラカラになっている人は要注意です。
寝ている間にいびきをかいていたり、口呼吸している可能性が高いので、舌に汚れが溜まりやすく、虫歯にもなりやすいのです。口呼吸の改善方法としては、みらいクリニックの今井 一彰院長が考案した「あいうべ体操」が効果的です。
これは、「あー」、「いー」、「うー」、「べー」と口を大きく動かして発音することで自然に口呼吸から鼻呼吸へと改善させる方法です。上記を1セットとして、1日30セットを目安に毎日続けると効果的です。
舌位が低い
舌の正しい位置は上顎に軽く触れている状態であり、舌の先端は上顎の前歯のつけ根辺りに位置している必要があります。舌が正しいポジションにあると、上顎と舌の表面が擦れることで舌の表面についた汚れが落とされます。
一方で、舌位が低いと舌と顎の摩擦により汚れを落とすことができないので、舌苔が形成されやすいのです。また、低位舌の場合は気道が狭くなるので口呼吸になる可能性も高いです。
これは、普段から舌の正しいポジションを意識しながら生活するしかありません。例えば、自宅でリラックスしてテレビを見ているときなどは、気づいたら口が開いて口呼吸になってしまうことが多いので注意が必要ですね。
常に口を閉じて、鼻呼吸することを意識しましょう。
舌苔は口臭の原因になる
口臭の主な原因としては、歯周病や虫歯などが挙げられますが、実は舌苔も口臭に影響しています。というのも、口臭の臭気成分である硫化水素は、その60%が舌苔により生産されているからです。
舌の表面に溜まった食べカスにタンパク質が含まれていると、それが細菌により分解された際に硫化水素などの臭気が発生します。舌の表面を指でなぞって臭いをかぐと、恐ろしく臭いのはそのためです。
舌苔の除去方法
舌苔は舌ブラシで磨くことである程度は除去できます。まず、ブラシを水に浸した後、舌の表面に軽くあてて、奥から手前に向かって優しくなでるように引くことで、表面についた汚れを除去できます。
このときブラシを往復させると舌の突起を傷つける恐れがあるので止めましょう。舌磨きの回数は、起床時に歯ブラシをする際に1回だけ行います。1日に2回以上行うと、舌の粘膜を傷つける恐れがあります。
まとめ
舌についた白い汚れは、舌表面にある舌乳頭と呼ばれる突起の間に食べかすや細菌などが溜まったものであり、舌苔と言われています。
そして、舌苔が形成されてしまう原因としては以下の3つが考えられます。
- 唾液が少ない
- 口呼吸
- 舌位が低い
舌苔は舌ブラシにより取り除くことはできますが、上記の原因を改善しない限り抜本的な解決にはなりません。舌苔が形成されてしまうと、口臭の原因となる硫化水素などの臭気が発生するため、息がクサくなります。
いずれにしても、まずは口呼吸を改善することで口内が唾液で満たされた状態にすることが重要ですね。
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