マイナンバー制度の罰則についてまとめておきます。

マイナンバー制度の罰則

マイナンバー制度では、違反者に対して厳しい罰則規定が設けられています。以下に主な罰則を紹介しておきます。

  1. 特定個人情報ファイルを故意に漏洩した場合
    →4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金
  2. 業務で知りえた個人番号を漏洩または盗用した場合
    →3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金
  3. 不正アクセスなどで個人番号を取得した場合
    →3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金
  4. 職権乱用で個人情報を収集した場合
    →2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金
  5. 特定個人情報保護委員会からの業務改善命令に従わなかった場合
    →2年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
  6. 特定個人情報保護委員会の検査を忌避した場合
    →1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
  7. 不正により個人番号カードを取得した場合
    →6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
  8. 従業員が上記の違反行為を行った法人
    →従業員に適用されたものと同じ罰金刑
    etc

これらの罰則については、初犯でも執行猶予がつかない可能性が高いと言われており、違反者は刑務所に入ることとなります。

では、順番に説明していきます。

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1.特定個人情報ファイルを故意に漏洩した場合

番号法(マイナンバー制度に関する法律)の第67条には以下のように記載されています。

個人番号関係事務または個人番号利用事務に従事する者、または従事していた者が、正当な理由なく、特定個人情報ファイルを提供した場合→4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金または併科
出典:番号法第67条

特定個人情報ファイル:従来の個人情報に個人番号(マイナンバー)が組み合わさったものは、特定個人情報と呼ばれています。

これは、会社においてマイナンバー情報を取り扱う立場にある従業員が、マイナンバー情報は高く売れると考えて、USBメモリにマイナンバー情報をコピーし、名簿屋などに持ち出した場合に該当します。

この従業員は、4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金刑に処せられます。

2.業務で知りえた個人番号を漏洩または盗用した場合

番号法第68条には以下のように記載されています。

不正な利益を図る目的で、個人番号を提供または盗用した場合→3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金または併科

出典:番号法第68条

これも、先に説明した例と同様に、利益を得るために、マイナンバー情報を第三者に提供したり、盗み出した場合に相当します。

3.不正アクセスなどで個人番号を取得した場合

番号法第70条には以下のように記載されています。

人を欺き、人に暴行を加え、人を脅迫し、または、財物の窃取、施設への侵入、不正アクセスなどにより個人番号を取得した場合→3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金

出典:番号法第70条

これは、普通に生活している人ならば違反する可能性は低いと考えられます。

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4.職権乱用で個人情報を収集した場合

番号法第71条には以下のように記載されています。

国の機関の職員等が、職権を濫用して、その職務の用以外の用に供する目的で、特定個人情報が記録された文書などを収集した場合→2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金

出典:番号法第71条

マイナンバー制度では、番号情報が漏洩しないように、特定個人情報保護委員会という専門機関が常に監視、監督しています。そして、この組織は公正取引委員会と同じ位置づけであり、他の省庁などから独立した機関なのです。

つまり、特定個人情報保護委員会は、国民だけでなく政府も監視しているのです。国民の中には、「政府が国民のマイナンバーを悪用するのではないか」といった懸念を抱いている人もいますが、特定個人情報保護委員会があることで、政府の不正が起きないような仕組みとなっているのです。

5.特定個人情報保護委員会からの業務改善命令に従わなかった場合

番号法第73条には以下のように記載されています。

特定個人情報保護委員会から命令を受けた者が、委員会の命令に違反した場合→2年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金

出典:番号法第73条

6.特定個人情報保護委員会の検査を忌避した場合

番号法第74条には以下のように記載されています。

特定個人情報保護委員会に対する、虚偽の報告、虚偽の資料提出、検査拒否など→1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金

出典:番号法第74条

特定個人情報保護委員会は、企業や自治体などがマイナンバー情報について正しく管理を行っているか監視するために、場合によっては立入検査や資料提出要求を行うことができ、必要があれば指導、助言、是正勧告、命令を出せることになっています。

このとき、特定個人情報保護委員会に対して、虚偽の報告、資料提出、検査拒否などを行った場合は罰せられることとなります。

7.不正により個人番号カードを取得した場合

番号法第75条には以下のように記載されています。

偽りその他不正の手段により個人番号カードなどを取得した場合→6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金

出典:番号法第75条

個人番号カードというのは、氏名、住所、生年月日、性別、本人の写真、個人番号(マイナンバー)が表示されており、公的身分証明書として使えます。これは、自治体等の交付申請機関に申請することで、2016年1月から入手できます。

今後は、役所の窓口の手続きにおいて、身分証明証と個人番号を証明する公的書類の2つの書類の提示を求められますが、個人番号カードがあれば1枚で手続きが済むので、非常に便利なものとなります。個人番号カードを不正入手した場合も懲役刑または罰金刑の対象となるのです。

8.従業員が上記の違反行為を行った法人

さて、会社の従業員が番号法に違反した場合、その会社に対しても罰金刑が科されることとなります。仮に、企業が罰金刑の対象になると、会社の業務そのものに甚大な影響を及ぼす可能性があります。

というのも、企業が行政機関や自治体からの仕事を受ける場合、入札への参加資格があるのか審査されることとなります。ここで、多くの行政機関や自治体では、罰金刑の対象となった法人を入札から除外する規程があるため、一度罰金刑を受けてしまうと、公的機関の仕事を受注できなくなる可能性が高いのです。

つまり、企業の収益の大部分を官公需で得ている場合、会社の収益が激減し、会社存亡の危機に瀕することとなります。ちなみに、私が勤務する会社では、官公庁から仕事も請け負っているため、社員へのマイナンバー教育がすでに始まっています。

社員全員の受講が義務付けられており、講座の理解度を確認するテストまで設けられているほどの徹底ぶりです。

まとめ

マイナンバー制度では、違反者に対して以下のような罰則規定が設けられています。

  1. 特定個人情報ファイルを故意に漏洩した場合
    →4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金
  2. 業務で知りえた個人番号を漏洩または盗用した場合
    →3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金
  3. 不正アクセスなどで個人番号を取得した場合
    →3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金
  4. 職権乱用で個人情報を収集した場合
    →2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金
  5. 特定個人情報保護委員会からの業務改善命令に従わなかった場合
    →2年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
  6. 特定個人情報保護委員会の検査を忌避した場合
    →1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
  7. 不正により個人番号カードを取得した場合
    →6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
  8. 従業員が上記の違反行為を行った法人
    →従業員に適用されたものと同じ罰金刑
    etc

番号法に違反した場合、初犯でも執行猶予がつかない可能性が高いと言われており、違反者は刑務所に入ることとなります。また、違反者が勤務している会社も罰金刑の対象となるのです。

知らなかったでは済まされないので、今一度マイナンバー制度の罰則規定についてチェックしておきましょう。

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